歩行者用出入り口をドアでふさぐのは共用部分の変更か?

asahi.comの「住まい」の「ここが知りたい」の2005/07/16付記事で、マンションの歩行者用出入り口を防犯のためドアでふさぐという提案が、共用部分の変更に当たるかどうかのQ&Aが行われています。この部分は共用部分ですから、それを変更するには総会決議が必要になりますね。

上の記事の後半部分で、共用部分の変更に関する管理規約が改正前の区分所有法に基づいて規定されている場合、特別決議(4分の3以上の可決条件)が必要かどうかの議論がされています。この記事の回答者は、「規約が改正されなくとも強行規定といわれる区分所有法の条項については、区分所有法の条項に反する規約は無効となります」と回答していますが、ここはちょっと注意が必要です。形状又は効用の著しい変更を伴わない変更については区分所有法第17条1項が適用されないため、区分所有法第18条により普通決議事項となりますが、これは「規約で別段の定めをすることを妨げない」とされていますから、例えば規約で特別決議と定めることは可能なわけです。強行規定で説明するのはちょっと無理がありますね。ここは、「区分所有法改正前に定められた管理規約は確認規定(法の規定をそのまま載せているだけの条文)なので、法改正と同時に無効になります」と言ったほうが良いでしょうか。

いずれにしても、ドアでふさぐことは普通決議で可能になりますが、防犯と利便性は相反する面がありますし、費用対効果も気になるところです。どのようなドアにするのか、カギの管理をどうするのか、費用としてどれだけ見込むのかなど、決めなければいけないことがたくさんありますね。決議要件とは関係なく、住人の意見をまとめながら合意形成を目指すことが大切でしょう。