オール電化は環境にやさしいか?

日経BPの「ビジネススタイル」の2005/08/04付記事「環境的に「住む」?エネルギーを選ぶ」で、オール電化住宅が環境にやさしいかどうかの議論がされています。

オール電化のひとつの柱は、IHクッキングヒーターです。ガスコンロの場合、ガスの持つエネルギーの55%程度しか料理に使われませんが、IHクッキングヒーターでは電力の持つエネルギーの90%が熱エネルギーになります。ところが、日本の主力電源は火力発電で、平均的には投入した一次エネルギーの30?35%程度しか電力にすることができないため、宿命的に一次エネルギーの3分の1分の電力を使うという非効率を抱えています。したがって、一次エネルギーの利用効率で考えると、IHクッキングヒーターよりもガスコンロのほうが上回るようです。

もうひとつの柱であるヒートポンプ式の給湯器については、やはりガス給湯器と比べてエネルギー効率的には大差ないようですが、ポイントは深夜の余剰電力を使うところにあるようです。深夜の電力はほとんどが原発で作られたものであるため、CO2発生量はガス給湯器に比べてかなり少なくなるとのこと。ただし、放射性廃棄物の問題を抱えた原発がそもそも環境にやさしいのかどうかは議論のあるところですから、CO2発生量だけを見て単純に環境にやさしいとは言い切れないようです。

結局のところ、環境面だけで考えると、オール電化はガスと大差はないと言えそうですね。オール電化を導入する際には、安全性やコスト、掃除が楽など、他のメリットを判断基準とするのが良いということでしょうか。マンションの場合は、共用部分のガス配管が経年劣化した際に、その更新をどう考えるかが、ひとつの判断基準となりそうです。