夢に日付を

株式会社ワタミ創業者の渡邉美樹社長をモデルにした「青年社長」を読みました。渡邉氏は、10歳のときに母の死と父の事業の失敗に遭遇したことから、「社長になる」と決意し、弱冠24歳でそれを実現します。その渡邉氏の座右の銘が「夢に日付を」。彼は目標とそれを達成する日付を書いたカードを常に持ち歩き、常に読み返しながら頭に刻み続けているそうです。「人に喜んでもらいたい」という彼の夢は学校作りや介護サービスにまで及び、その夢は留まるところを知らないようです。

どうも人間は、単に報酬が得られるとか、責任感や義務感だけで仕事をしても、空しいだけで、決して幸福にはなれないようです。世のため人のためになる大きな夢を抱き、その夢の実現に向けて努力することが、すなわち心の底から好きになれる仕事であり、そのことにより大きな幸福が得られるようです。

マンションの管理組合運営にも同じことが言えそうです。私が自分の住むマンションの理事になったときも、「自分が任期の間に管理コストを削減して、駐車場の問題も解決したい!」という夢を抱き、その夢の実現に向けて努力することで、頑張ることができました。当時は会社の仕事も忙しく、毎日の帰宅も深夜0時過ぎの生活でしたが、睡眠時間を削ってまで管理組合の仕事をしても、まったく苦になりませんでした。

うちのマンションでの次の大きな課題は4年後の大規模修繕工事ですが、これについても同じことが言えそうです。単に劣化した箇所を修繕する工事という意味では後ろ向きの考え方になってしまいますが、例えばIT化のために全戸に光ファイバーを2本ずつ配線したいとか、バリアフリー化のためにエントランスにスロープとリフトを設置したいとか、階段下のデッドスペースに自転車置き場を増設したいとか、考え出すといろいろなアイデアが出てきて、ワクワクしてきます。

管理組合の役員はそういった「夢」を抱くことがまず大事であると同時に、居住者全員にも同じ夢を共有してもらい、その夢の実現に向けて全員で努力していくことが管理組合活動を活性化させるための大きなポイントとなりそうです。

管理組合活動を続けていくことに虚しさを感じたら、ぜひあなたの夢を考えてください。そしてその夢をいつまでに達成するか日付を入れましょう。きっと心の底から力が沸いてきて、元気になれますよ。