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2005/12/01
理事会は開けばいいってもんじゃない

執筆者: naito (5:48 pm)
管理組合活動を活性化するために、毎月の定例理事会は欠かせない。しかし、ただ役員が集まるだけでは意味がない。ある管理組合では、毎月欠かさずに定例理事会を開いていたものの、何も出来ずに1年間の任期が終わってしまったというケースがある。

その理事会では、管理会社のフロント担当者がおざなりの管理状況報告をするだけで、理事長も個人的な不満を口にするだけ。解決すべき課題があっても、他の役員は全員黙って座っているだけで何も決まらずに散会。次回は前回の話し合いの内容などすっかり忘れていて、別の解決すべき課題が上がってきても、また何も決まらずに散会という繰り返し。結局1年間、計12回の理事会で何も決めることができず、何も実行に移せなかった。フロント担当者にも理事長にも会議をマネージする能力が無かったという典型的なパターンだが、とんだ時間の無駄遣いだ。1年間もの活動の停滞はその管理組合にとっても大きな不幸だったし、トラブル対応が遅れたことによる金銭的な代償も高くついた。

これほどひどいケースはそう多くはないだろうが、程度の差こそあれ、多くの理事会が同じような症状に陥っていることは容易に想像できる。そもそも会議の進め方など、学校では教えてくれないし、多くのサラリーマンが、会社で無駄な会議を毎日のように続けているのが現実だからだ。

そもそも理事会の場で、何の前触れもなしにいきなり問題を提起するのは反則技に近い。事前に何も知らされていなかった出席者が、理事会でいきなり問題を振られても、すぐには対応ができない場合が多い。ましてや、その場の思いつきだけで議論や判断をすることは最も危険だ。時間の無駄になるだけでなく、間違った判断をする危険性が高い。理事会を開いて何か議論したいなら、事前に議案は配布して、他の出席者に十分に考える時間を与えておくことが大事だ。

もし理事会で何か提起したい問題があるのなら、事前にその内容を他の役員全員に連絡しておくべきだ。問題提起と一緒に、自分なりに考えた対策案のひとつでも出すのが気の利いた人間のやり方だ。そもそも問題の多くは、わざわざ理事会にかけなくても、担当者間の連絡で解決する場合が多いし、どうしても理事会で討議する必要のある問題なら、事前に出席者に十分な情報を与えて、考えをまてめてきてもらうことが大事だ。

せっかくの理事会の場で特定の人に相談をもちかけたり、質問したりすることもよくない。これも時間の無駄だ。特定の人に相談や質問をしたかったら、事前に直接その人と会うなり、電話をかけるなりすればよい。わざわざ全員が揃った理事会の場で行う必要はない。

理事長によくありがちな失敗は、理事会の場で他の理事に頼みごとや指示をすることだ。これもご法度。人にモノを頼むときには、会議の場ではなく、個別にお願いをすること。そうでないと、相手はなかなかその気になってくれないものだ。管理組合の役員同士は、日頃なかなか顔を合わせる機会がないので、どうしても理事会の場でいろいろなことを頼みたくなる気持ちは理解できるが、決してやってはいけない。互いに都合の良いときに直接会って話をするのがベストだが、その他にも電話やメールなど、個人的に連絡する手段はいくらでもある。何か人に頼みごとがあれば、相手と直接向き合ってすべきだ。

会議の場では、意見を求めるのは良いが、自分の考えに反した意見が出ても不用意に反論しないこと。他人の意見は、良いところだけを取り入れればよいのだ。反論合戦は時間の無駄。反論があるなら会議が終わってからにしてほしい。きっと会議が終わる頃には、小さな意見の相違にこだわることの無意味さが分かって、反論する気はなくなるだろう。

理事会決議が必要なものも最小限に留めるべきだ。出来るだけ権限委譲をすすめて、担当役員の判断で決裁できるようにすべきだ。へたに理事会で決議すると、逆にそれに縛られることになって、臨機応変な対応ができなくなるなど、弊害が生じることもある。責任の所在が分散して、何か問題が発生したときも、誰も責任を取ろうとしなくなることもある。基本的に「役員全員から意見を求めるが、最後は担当理事がひとりで決める」という考えがよい。そうなれば、権限を委譲された理事は、自ずと真剣にならざるを得ない。誰でも、人から言われたことをやるよりは、自分で決めたことをやるときのほうが力を発揮するし、そのほうが達成感も大きいものだ。

逆に権限を委譲する理事長側も、最終責任は自分にある訳で、なかなか勇気のいることだ。優秀な理事長なら、自分でやった方が早いし、確実だとも思えることもあるだろう。しかし、自分でやってしまうといつまでも後進が育たない。手を出したくなっても、じっと我慢して、担当理事に任せるべきだ。多少の失敗には目をつぶること。人間は成功からよりも、失敗から多くのことを学ぶものだからだ。

理事会を連絡や報告の場にしてもいけない。インターネットの利用がこれだけ普及した時代である。日頃の役員間の連絡や報告は、電子メールを活用すればよい。全役員をメンバーとするメーリングリストでも立ち上げれば理想的だ。役員同士だけでなく、管理会社のフロントとも日頃から電話やメールで密にコミュニケーションを取ること。必要があれば、個別に呼び出したり、逆にこちらから管理会社の営業所に出向いてもいいだろう。

もちろん管理員との密なコミュニケーションも欠かせない。そのマンションの建物や設備、住人やその家族構成、人間関係まで、一番詳しい人間が管理員だ。マンション管理を円滑に進めようと思ったら、まず管理員と仲良くすることが大事だ。普通のサラリーマンだとなかなか管理員と顔を合わせる時間がないが、電話でのコミュニケーションやメモ書きのやり取りなどで、情報交換をすること。管理員がメールを使えればベストだ。役員間のメーリングリストに管理員が参加してくれれば、これ以上心強い味方はいないだろう。

極端な話、役員同士やフロント担当者、管理員との日頃のコミュニケーションが十分に取れていれば、理事会はまったく不要だ。せいぜい担当業務の進捗状況を互いにチェックする程度で十分だろう。管理規約で理事会決議事項として定められているものについては、決議を行って議事録を残す必要があるが、あくまでも形式的なものと考えたほうがよい。むしろ、日頃顔を合わせる機会のない役員が月に1度だけ集まるのだから、そのマンションの未来や管理組合の進むべき方向などについて、ざっくばらんに意見交換をしたり、互いの親睦を深めたりする目的に使ったほうがよい。

月に1度の理事会に形だけ集まって話をしても、時間は限られる。2時間の理事会でも取り上げるテーマが6件あったとすると、1件あたりに取れる時間はたった20分しかないことになる。もし10人の参加者がいたとすると、1人が意見を述べることができるのはたった2分ということになる。これでは十分なコミュニケーションは不可能だ。決して報告や議論の場にしてはいけない。助言や指示が必要であれば、理事会の前に個別に行っておくことだ。

せっかく理事会を開くなら、ぜひその中身を充実させてほしい。むしろ管理組合役員になったことは、会議をマネージする能力を身に付けるチャンスを得たと考えよう。今からでも決して遅くはない。意識して今までの理事会のやり方をちょっと変えてみるだけで、管理組合全体の動きが生き生きとしてくるはずだ。
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