資産運用の観点から見たマイホーム取得

日経住宅サーチの「知る・学ぶ」の「住宅なんでもHow much!」の2003/02/10付け記事、「テーマ書評「住宅と資産」資産になる家の見極め方とは」で、資産運用の観点からマイホーム取得を論じたいくつかの書籍が紹介されています。最近話題となった「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」(橘玲著、幻冬舎発行)によると、不動産は、保有しているだけでコスト(固定資産税)がかかる特殊な資産であり、地価の大幅な上昇を前提にしなければ、不動産投資は、もともと割の合わないものなのだそうです。そして、30年後に、賃貸と持ち家のどちらが得かは、現時点ではだれにも分からず、したがって、家を買うか買わないかは経済的な選択ではなく、自由に対する考え方の違いにすぎないそうです。マイホームを買うのは結婚するのと同じことで、理屈じゃないってことでしょうね(^_^)。また、「ワンルームマンションほどバカな投資はない」と断言しているとのこと。たしかに家賃収入による5%程度の利回りは魅力がありますが、30年後の家賃や売却価格の下落の可能性を考えるとリスクが大きい投資と言えます。特にワンルームマンションやリゾートマンションのように、区分所有者が居住していないマンションでは管理組合がまともに機能していないケースが多く、スラム化した物件も枚挙にいとまがないようです。ある意味でマンション管理士のような専門家の活躍が大いに期待されている分野であると言えるでしょう。そして、最後に紹介されている「資産になる家・負債になる家」(南雄三編、建築技術発行)でなされている住宅の資産価値の考え方には、ハッとさせられました。「価値は家だけでつくれるものではないので、環境に対する意識も高まり、ご近所と共生を図ろうとし、その結果町も住みよいものになるのです。価値の高い家はいつまでも居住者に利益を与え、中古になっても社会の中で流通しながら多くの人を幸せにします」。ぜひそんなマンションを目指したいですね。