中古物件・管理の質「修繕にかかわる金額を点検して」

日本経済新聞 2007/01/25夕刊17面 (生活コミュニティー、マンション大丈夫か – 賢く売買(下))

国土交通省が二〇〇六年四月に導入した「マンションみらいネット」。中古物件を買いたい人向けに修繕履歴や積立金残高を公開している。しかし管理組合の関心は低く、モニター募集九百件に対し応募は四百八十四件。現在の登録物件は約三百二十件だ。

購入希望者が使いにくい点は、登録物件の少なさに加え、管理知識がないと情報が理解しにくい点だ。管理情報の公開自体はメリットが大きいだけに、改善が求められる。

では、購入希望者は管理の質を何で判断すればいいのか。マンション管理士の内藤正裕さんは「修繕にかかわる金額チェック」を勧めている。

ポイントは、一戸当たりの修繕積立金の月額と積立金残高の把握だ。内藤さんが判断する積立金の目安は一万円前後。あまりに安いと修繕が危ぶまれるうえ、値上げができない点で管理組合の合意形成力にも問題があるとみる。積立金残高は、修繕履歴や計画と照らすと金額の多寡が判断できる。大規模修繕直前であれば、一戸当たり七十万円から百万円の残高が必要とされており、著しく少ないと一時金徴収の可能性がある。