日本マンション学会「マンション管理実務連続講座」の第4回を受講

東京都文京区のすまい・るホールで行われた日本マンション学会の「マンション管理実務連続講座」の第4回を受講しました。最初は三井一征事務所の三井一征氏による「標準管理規約の意義とその活用法」。標準管理規約のもつ標準性の意義を挙げると同時に、各マンションの個別性に合わせて内容を調整する必要があるとし、具体例として全管連の京滋管対協のモデル規約と道管連のモデル規約を紹介し、さらに「標準管理規約の上手な活用法」(マンション管理センター)の規約事例を具体的に説明しました。次の住宅金融公庫住宅環境部の松村収氏による「マンションストックを長く使い続けるために」では、平成13年度に行った長期修繕計画の事例調査結果により、通常のマンションでは16,000円/戸・月の必要修繕費が、30戸未満のマンションでは21,000円に増えることや、機械式駐車場が1台分あると1戸分に相当する修繕費が必要になるというデータを明らかにしました。松村氏は「マンションの価値が下がると維持管理へのインセンティブが低下する」とし、適正な維持管理を行うためにも資産価値を保つ必要があるとの見方を示しました。最後は弁護士の石川惠美子氏による「最高裁判例を中心にマンション管理の実務を知る」。共用設備が設置されている車庫が専有部分として認められた判例や、規約以外の合意は特定承継人に対して効力を有しないとし、専有部分を住宅としての使用に限定する規約変更が無効とされた判例、駐車場の専用使用権を分譲することを認めた判例などを紹介し、管理組合として注意すべき点を説明しました。今回で全4回の連続講座は完了し、最後に「修了証書」を頂きました。マンション管理は勉強すればするほど、やるべきことが増えてくる感じです。逆に言えば、管理組合役員がしっかり勉強しておかないと、実際に問題が生じてから慌てることになります。むしろそのようなマンションが多いのが現状かもしれませんが。