犯罪を減らすノウハウ「割れ窓理論」
日経新聞2003/04/20付けSunday Nikkei記事「犯罪減らした街に学べ」で、全国的に犯罪件数が増えているなかで、犯罪を減らすことに成功した大阪府や札幌市のノウハウが紹介されています。オートバイや自動車のナンバープレートの盗難といった従来はあまり重視していなかった軽い犯罪の取り締まりを強化した結果、ひったくりなど長年の課題だった犯罪が目に見えて減ったそうです。これは自動車を一週間放置しても何も起きないのに、同じ自動車の窓ガラスを一ヶ所割って放置すると数時間のうちに車の部品や中の荷物などが盗まれてしまったという「割れ窓理論」に基くもの。最初の小さな犯罪防止こそがその後の犯罪抑制につながるという考え方で、ニューヨークのジュリアーニ前市長が地下鉄の落書きなどを一掃した結果、殺人件数が4割も減ったことで有名になりました。今まで犯罪の検挙率を上げることが一番の防犯対策と考えてきた日本の警察も、近年の犯罪の増加に対応し切れず、最近は犯罪を未然に防ぐという考え方に変わりつつあるようです。そしてその中心になるのが、地域のコミュニティーの再生による住民の防犯意識の高まりだそうです。マンションの3大問題と言われている、騒音、ペット、駐車場などに関するトラブルも同じこと。実際に問題が生じてから対策を講ずれば良いのではなく、日頃からトラブルを未然に防ぐという考え方のほうが大切なのだと思います。もちろんここでもマンション内の良好なコミュニティーの形成による住人の管理意識の高まりが中心となることは言うまでもありません。