区分所有法改正の9つのポイント

新宿で行われた「東京マンション管理実務の集い」の実務勉強会に参加してきました。出席者は15名。今回のテーマは区分所有法の改正とマンション建替え円滑化法について。今回の区分所有法の改正のポイントは9つ。すなわち、(1)共用部分の変更は形状又は効用の著しい変更を伴わなければ普通決議で可能にしたこと、(2)管理者及び管理組合法人に損害賠償請求等の当事者適格を認めたこと、(3)規約は駐車場や広告塔等の利用権が一部に偏ることのないように、区分所有者の利益の衡平が図られるように定めるべきとされたこと、(4)管理組合を法人化するときの人数要件(30人以上)が撤廃されたこと、(5)規約や議事録、議決権行使等の電子化を認めたこと、(6)建物の2分の1を越える部分が滅失したときの復旧で、復旧に賛成しない住戸の「買取指定者」を指定できる等、より具体的な手続きを規定したこと、(7)建替え決議を5分の4以上の賛成で可能にする一方で、建替え決議のための会議の通知事項を具体的に定め、説明会の開催を義務付けたこと、(8)団地内の建物の建替えは、その建物で5分の4以上の賛成に加えて、団地全体で4分の3以上の賛成を必要とすること、(9)団地全体を一括して建替えるには、団地全体で5分の4以上の賛成と、各建物ごとに3分の2以上の賛成があればよいこと。ただし復旧に関しては、決議がないまま放置されている場合の具体的な改善策が何も盛り込まれなかったため、今回の改正案では不十分という声も出席者の中から出ました。また、この団地一括建替えの項目が追加になったことから、それに合わせて建替え円滑化法の条文も変更されることになったようです。基本的には区分所有法の改正案とマンション建替え円滑化法の改正案の新旧対照条文を自分で読んで理解すれば良い訳ですが、日頃はなかなか落ち着いて目を通している時間もありませんので、このような勉強会の場で改めて内容を確認し、意見交換ができることは、私にとってはたいへん有意義なことです(^_^)。