巨象も踊る

この正月休みに読もうと、ルイス・ガースナー著の「巨象も踊る」を買ってきました。1993年に瀕死の状態にあったIBMのCEOに就任し、大胆な改革を進め、数年のうちに見事に再生させた辣腕経営者が、ゴーストライターなしに自ら著した経営書です。私は日頃、マンション管理組合の運営には、企業の経営者的なセンスも必要だと思っています。管理組合の場合は基本的に合議制であり、企業のようなトップダウンでの意思決定ができないという違いはありますが、理事会が管理組合運営でリーダーシップを取り、正しい舵取りをしていくためには、優れた経営感覚と実行力が必要であることに変わりはないでしょう。私も1983年から今月までIBMに在職し、彼の進める改革を一人の末端の社員として体験できたことは、大変貴重な財産になりました。特に頻繁に彼自身から全社員宛に直接届く電子メールでのメッセージは、それまでにはなかった新鮮なもので、組織が変革を進めるにはコミュニケーションが重要であり、経営者と全社員が同じ考えを共有することが大事であるということを学びました。私が管理組合活動を活性化するために、広報活動を重要視しているのは、実はこの体験が根底にあると言っても過言ではありません。