なぜ広報活動をするのですか?

マンションNPO通信 第12号(2004/03/15発行)

マンションのことを何も知らなかった

仕事が毎日深夜におよぶ内藤さんは、入居後の3年間、管理組合に対して「きわめて消極的なスタンス」をとっていました。しかし、2000年の秋に輪番制で理事に就任。「何もできません」ではすまなくなりました。

理事就任1ヶ月前の引継ぎで、「ある居住者から理事会に提言」がありそれが懸案事項になっていることを知らされます。委託管理費が非常に高額であることや機械式駐車場使用方法等の問題点の指摘でした。内藤さんは、早速その人のレポートを読みましたが、何を問題視しているのか、さっぱり分かりませんでした。

猛勉強を開始

ホームページで、マンション管理の基礎知識や管理組合の管理費削減体験談などを読み込んでいくと、そのレポートが言うところの問題点が見えてきました(これが後に管理費削減委員会の結成、年間390万円のコスト削減につながります)。今まで不定期だった理事会を、定例で開いていくべきだとも思いました。

何より「すべて総会で決定する。「”何が正しいか”ではなくて、”みんながどう考えるか”で物事が進むのがマンションだ」ということを認識しました。

神奈川県藤沢市のマンション「ナイスステージ湘南台」(62戸)は、掲示板、広報紙、住民向けホームページなど様々な方法で、管理組合の広報活動を行っている。住民の会社員、内藤正裕さん(46)は5年前から、管理組合の役員や広報委員長として活動に携わっている。マンション管理士の資格も持っている。

「輪番制で役員になる前は管理規約も読んだことがない無関心派の代表。これではだめと、反省しました」

当時、管理費削減などの問題が持ち上がっていたが、住民の関心は低かった。まず管理組合の活動を住民に知ってもらおうと、月1回、自宅のパソコンで作った広報紙(A4判、1ページ)を全戸に配布。管理費の見積り作業や、管理組合の活動予定などについて紹介。意見箱も設置し、住民の声もすくい上げようとした。結局、管理会社を変更し、管理費の半減に成功した。