「新たな住宅政策に対応した制度的
マンション市場の整備
マンションの総ストックは、約466 万戸に上り、国民の約1 割に相
当する約1,200 万人が居住している。半数以上の区分所有者がマンシ
ョンを終の棲家と考えており、都市部を中心に重要な居住形態として
定着し、独立した市場分野として確立されている。
今後、人口・世帯減少の過程において、マンションのスラム化問題
等が生じないよう、管理実態の的確かつ継続的な把握に努めるととも
に、ストックの資産価値が維持されるよう適切な管理、修繕等が行わ
れ、老朽化等が原因でリフォームその他の手段では改善が困難な場合
には円滑な建替え・撤去が行えるよう、既存の制度・支援方策の普及
促進や改善を図る必要がある。
さらに、マンション流通市場の活性化や消費者利益の保護の観点か
ら、マンションを購入しようとする者が管理組合の運営、修繕計画と
修繕積立金、建物の維持修繕の状況、市場における評価等必要な情報
を円滑に入手でき、適切な判断ができる体制を確立するとともに、マ
ンション居住者の安心確保のため、マンション管理業者による組合財
産の適切な保全等マンション管理業者の業務の一層の適正化を図る
べきである。
加えて、小規模なマンション等で見られる賃貸化等の進展によって
管理組合が十分に機能していないマンションに適切に対応するとと
もに、良好なコミュニティの形成に配慮されたコーポラティブ住宅の
円滑な供給方策についても検討すべきである。