マンション管理新聞特別企画「2003年、管理組合運営が変わる」

マンション管理新聞2003/01/15号の特別企画「2003年、管理組合運営が変わる」で、改正区分所有法や建替え円滑化法の施行等により、今後管理組合を取り巻く環境がどのように変化していくかの見通しが、テーマ別に検証されています。それによると、マンション管理士は、今後管理組合運営の中で、「キーマン」的な役割を果たす期待が持たれるそうです。すなわち、マンション管理適正化法で定義された単なる相談者、助言者では意義が薄く、場当たり的なトラブル対応にとどまらない恒久的な援助が望まれる、としています。たしかに優れた活動を行っている管理組合には必ず「キーマン」の存在がある訳で、住人の合意を形成しながら、管理組合運営を正しく舵取りしていくためにリーダーシップを発揮することも、マンション管理の専門家としてマンション管理士に期待されるひとつの大きな役割であると思います。横浜市が昨年作ったモデル規約も、マンション管理士を管理者として位置づけることにより、単なる相談者や顧問という存在ではなく、実務面でのリーダーシップを直接発揮できる立場に置こうという試みです。企業に例えると、経営コンサルタントとしてではなく、実際の経営者としてマンション管理組合の改革に乗り込んでいくようなイメージでしょうか。ただし、企業の場合は経営が悪いと、すぐに業績の悪化や株価の下落という目に見える形で現れてくるのに対して、管理組合の場合は適正な管理が行われていなくても、あまり意識の高くない住人はなかなかそれに気が付かないという問題があります。この問題を解決するには、管理の適正化のレベルを分かりやすい指標で表すような基準を設ける仕組みが必要だと思うのですが、これについてはまた別の機会に話題にしましょう。