先田式根本リニューアル工事

日経住宅サーチの「知る・学ぶ」の「住宅なんでもHow much!」の2003/01/28付け記事、「マンション老朽化対策に新タイプ 先田式根本リニューアル工事のススメ」で、マンション問題研究会の先田政弘代表が提案する根本リニューアル工事が紹介されています。この工事は建替えと大規模修繕の中間に位置するもので、建物のスケルトン(構造などの骨格)のみを残したまま、インフィル(間取り、設備、内装)を一時的にそっくり撤去して根本的にリニューアルするものだそうです。スケルトンの補修・補強を行えるほか、配管や配線の徹底的な更新も可能になり、権利変換というやっかいな作業も不要。インフィルの間取りや内装は居住者が自由に選択できるというメリットもあり、第3の選択肢として検討の余地がありそうです。昨年12/11(水)に公布された改正区分所有法により、5分の4以上の賛成で建替え決議が可能になりますが、「分譲マンションのソフト屋」を自称する先田氏は、建替えのような高額の費用がかかるマンションの老朽化対策を進めるとき、必ず1人か2人は費用負担のできない居住者がいると指摘します。そして、一部の少数派のために建替えが立ち往生するようでは5分の4以上を占める多数派の住人が不幸になり、逆に費用負担のできない居住者を無理に参加させると、今度はその人たちが不幸になると憂慮しています。いずれにしても、強引な決定は禁物。同じマンションに住む仲間として居住者全員が幸福になれるにはどうしたらよいのか、全員の理解がひとつになるまで焦らずに時間をかけて合意形成を図っていく必要があるでしょう。