超高層マンションでのコミュニティー形成の難しさ

日経新聞2003/02/13付け夕刊11面の記事「超高層マンションのコミュニティー 住民同士の交流難しく」で、最近都心で相次いで誕生している超高層マンションでのコミュニティー形成の難しさが紹介されています。割高な上層階とファミリー向けの低層階とで住民間にギャップが生まれたり、エレベーターの待ち時間が多いと外出がおっくうになったり、超高層であるがゆえの問題があるようです。そうした中でコミュニティー形成を目指して自治会の立ち上げに苦労されている方も多いようです。しかし、一戸建ての住宅と異なり、マンションの居住者には地域コミュニティーへの参加やまちづくりという意識が薄くなりがちで、超高層マンションでは地面からの距離が離れるのに反比例して、さらにその意識が薄まる傾向があるのかもしれません。マンションに居住する都市生活者の多くは、その日常生活の中で地域コミュニティーへの依存度が低く、自治会活動への関心が低くなるのも当然でしょう。したがって、マンション住民にとって唯一の共通の関心事である管理組合活動の活性化こそが、マンション内のコミュニティー形成の近道であるというのが私の持論ですが、超高層マンションもその例外ではありません。そもそも、超高層マンションはその設備の特殊性から維持管理や修繕のためのコストが割高になりますので、本来住民は管理に無関心ではいられないはず。そのためには、定例理事会の開催によって、理事会メンバーの意識改革を行い、まず理事会を活性化すること。ただし、ビーカーの水はいくら上の方だけを熱しても下の方は冷たいままですから、全体の水を温めるには対流を起こす必要があります。すなわち、広報活動と言う下向きの流れと、意見箱やアンケート調査による上向きの流れを作る必要があります。超高層マンションという背の高いビーカーで全体の水を均等に温めるのはなかなか根気のいる作業だと思いますが、あせらずにじっくりと取り組むことをお勧めします。