神奈川マンション研究会の平成14年度第3回勉強会に出席

神奈川マンション研究会の平成14年度第3回勉強会に出席してきました。前半は弁護士の高橋健一郎氏による「マンションの長命化・再生についての法的問題点」。給排水管の更新や、電気容量アップ、IT化、エレベーター設置、バリアフリー化など、設備面での長命化・再生を行うときに、特別決議が必要かどうかの問題を区分所有法の現行法と改正法の違いを交えて解説しました。また、住戸を店舗や診療所、痴呆高齢者のためのグループホーム等に変更したり、複数住戸を物理的に一体化したりする場合に区分所有法や登記の面で生じる法的な問題点を明らかにしました。後半は弁護士の中村宏氏による「マンションの増築をめぐる法律問題」。大阪高裁平成14年1月28日判例をもとに、マンションの居室を拡大する増築工事が共用部分の変更決議として有効なのか、増築後に共有持分比がどうなるのかなど、区分所有法や不動産登記法が十分に対応できていない現状を明らかにしました。また団地での増築では先に増築を行う棟が容積率を食ってしまう問題があるため、団地における建替えと同様の承認決議方法を検討する必要性もあるようです。今回の勉強会の企画は、神奈川マンション研究会の会長である関東学院大教授の山本育三氏が唱えている「マンション再生円滑化法」の新設に向けて、その要求事項を明確にするために現行法の不備な点を研究したもの。山本先生は、マンションの建替えは多くの場合あまり現実的ではなく、適正化法に基づいて粛々と管理をしているだけでも不十分とし、時代に合わせた機能の増強を行っていくには長命化・再生の円滑化を目的とした新法の創設が必要と主張されています。今回のテーマは今後も長期的に神奈川マンション研究会で取り組んでいくそうですので、私も何かできることがあればお手伝いをしたいと思います(^_^)。