マンションにおけるセキュリティ

日本実務出版「安全と管理」2003年4月号で、マンションにおけるセキュリティが特集されています。巻頭の「視点」では、神奈川県マンション管理士会会長の菅野安男氏が、マンション管理士の紹介を交えながら、居住者が日頃から問題意識を持ってマンションのセキュリティ対策に取り組んでいくことの重要性を訴えています。警察庁生活安全局生活安全企画課 課長補佐 警察庁技官の藤永秀樹氏による「共同住宅における侵入盗の犯罪手口とその防犯対策」では、全戸がほぼ同一形式の錠前を備えるマンションはピッキングのターゲットになり易いことを指摘し、官民共同で防犯性能の高い建物部品の開発を進めている状況を紹介しています。また、大阪府防犯協会連合会による「マンションの防犯を審査する「大阪府防犯モデルマンション登録制度」」では、全国に先駆けて設けられた「大阪府防犯モデルマンション登録制度」が紹介されています。特別座談会では警察庁生活安全局生活安全企画課 都市防犯対策官
警視正の首藤祐司氏の司会により、東急コミュニティー旭硝子セコムテクノサービスエイ・エス・アイ安全センターの各社が「守る意識を研ぎ澄ませ! マンションのセキュリティ対策」をテーマに討論。ダブルオートロックシステムや防犯センサ、監視カメラ、ペアガラスといった対策を講じたマンションが現れている一方で、多くのマンションではあまり取り組みが進んでいない状況であり、まず住人の防犯意識を向上させることが重要であると結んでいます。最近は「隣に引っ越してきた者です」と言ってドアを開けさせる犯行の手口もあるようで、これもコミュニティーが未成熟なマンションの弱点を突かれた形。悲しいことに、隣家に引っ越しのあいさつもしないで出て行く住人が多いということでしょうか。防犯のためにはハード面の改善だけでなく、コミュニティー形成というソフト面での対策も進める必要があると強く思います。