隣地のマンション建設への反対運動

asahi.com : 住まいの2003/04/29付記事「マンションの南にマンション、続けて4棟目 さいたま」で、マンションの南側の至近距離に次から次へとマンションが建ち、その都度反対運動が繰り返されている状況が紹介されています。現在7階建ての1棟目の南に12階建ての2棟目、14階建ての3棟目が5?10m間隔で並んでおり、その10m南にさらに9階建ての4棟目の建設計画があるというもの。3棟目のマンションのベランダに「高層ビル建設絶対反対」「環境悪化は許さない」という、「14階建ての自らの姿を否定するような横断幕がはためいている」のだそうです。駅に近い商業地域で、法的な問題はないため、建設自体を中止させることはできないとしても、補償金を得たり、階数を減らしたり、目隠しを設けさせるなど、それなりの成果はあるようですので、何事も言わなきゃ損、ということでしょうか。たしかに、法律の世界には「権利の上に眠る者は保護せず」という格言があって、どんなに正当な権利を持っていても、その権利を主張しない者を、法律は保護してくれない訳ですが、何か釈然としないところがあるのはなぜでしょう。隣地にマンションが建設されるたびに不毛な反対運動が繰り返されるということは、そのようなトラブルを防止できない法律に欠陥があるのか、単なる住人のエゴなのか、あるいはそのような商業地域に居住用マンションを建てるデベロッパーが無責任なのでしょうか。たぶんどれも正解ではありません。やはり、そもそも「まちづくり」とは何なのかという原点に立ち返って物事を考える必要があるでしょう。すなわち、住民が主体となってまちづくりのビジョンを描き、行政と力を合わせてそれに取り組んで行かない限り、同じようなトラブルが繰り返されるだけのように思います。