プライバシー保護とコミュニティー形成
asahi.com : 住まいの2003/04/26付記事「【変貌東京・汐留ツインパークス】 (2)干渉嫌いウワサ生む」によると、汐留の超高層マンション「東京ツインパークス」で、歌手の浜崎あゆみさんが住んでいるというウワサが広がっているそうです。事務所によると実際に住んでいるのは別の場所のようですが、その他にも若手男優が住んでいるらしいとか、エレベーターでオノ・ヨーコを見かけたという人までいるそうです。90台の監視カメラや2重のオートロックによる万全の警備態勢が売りのマンションで、玄関には「関係者以外が入館した場合は、警察に通報する」という貼り紙。住人自身もプライバシーの保護に対して厳しい目を持っており、警察へのアンケートにも家族構成などを明かすことへの懸念から協力しないことを管理組合で決定したり、理事もくじ引きで決定して、「個人情報保護」を理由に氏名を公開しないという徹底ぶり。私も自分の住むマンションの管理組合活動をホームページ上で情報公開するときには、どこまでの情報を不特定多数の人間に公開して良いものか、それによるメリットとデメリットを含めて理事会の中で十分に話し合いましたし、役員名を掲示板に掲示する際には性別が分からないように名字だけにするなど、プライバシーの保護についてはかなり神経を使っているつもりなのですが、ここまで住人のプライバシーに対する意識が徹底しているとすごいですね。その結果、このマンションでは住人同士が干渉しないという暗黙の了解があり、伝言ゲームのような「おとぎ話」がウワサとして広まっていくそうです。47階建てのこのマンションは販売価格の最高が6億円で、3分の1以上が1億円以上。一方、最多価格帯は7000万円台で、3000万円台のワンルームも。販売価格がこれだけ違うと、同じ建物の中に住んでいながら、価格帯の違いによって住人同士でも住む世界が違うというか、会話が成り立たないというか、コミュニティーの形成も難しくなるようです。このような「上下格差」の大きい超高層マンションでは、大規模修繕などの際の合意形成をどのように進めていくのでしょうか。マンション管理士のような合意形成のプロの活躍が最も期待される場のひとつかもしれません。