管理会社との良好な関係を保つには

日経BP「Small Biz」の「情報化支援Q&A」の「仕事の合理化Q&A」の2003/05/01付記事「ベンダーとの良好な関係を保つにはどうしたらいいの?」で、企業がシステム化に取り組む場合、社内に人材やノウハウがなく、ベンダーを利用する際の注意点が紹介されています。それによると、「ベンダーはあくまで「パートナー」ですから、全てを任せきりにするのではなく、常にコミュニケーションを取って、自社の果たすべき役割はきちんと果たす、という姿勢も重要」であり、「対等かつ緊張感のあるコミュニケーションを心懸ける」ことが要点なのだそうです。この「企業」を「管理組合」に、「システム化」を「マンション管理」に、「ベンダー」を「管理会社」に、それぞれ置き換えて読むと、管理組合が管理会社と良好な関係を保つための心構えにそのまま当てはまります。すわなち、「管理組合がマンション管理に取り組む場合、マンション内に人材やノウハウがなく、管理会社を利用する際には、管理会社はあくまでも「パートナー」ですから、全てを任せきりにするのではなく、常にコミュニケーションを取って、管理組合の果たすべき役割はきちんと果たす、という姿勢も重要であり、対等かつ緊張感のあるコミュニケーションを心懸けることが大切である」となります。私も相談者の方から、管理会社に関する不満の声をお聞きすることが多いのですが、そもそもマンションの管理を運営していく責任があるのは管理組合であって、管理会社は管理委託契約に基き、管理組合の指示通りに手足となって動いてくれるパートナーに過ぎません。世の中にたくさんある管理会社の中から、自分たちが管理委託先として選んだ管理会社なんですから、不満を言う前に、自分たちで管理会社をしっかりコントロールしてかなければいけないことをまず自覚する必要があります。管理会社に不満があるということは、半分は管理組合の責任。管理会社がちゃんと動いてくれているかどうかは理事会がチェックしなければいけないですし、もし問題があるのなら、すみやかに改善を求めないといけません。いずれにしても理事会と管理会社とのコミュニケーションを密に取ることが重要でしょう。そして、もし何か問題があれば、それを指摘して、いつまでに何をしてほしいのか具体的な指示をすること。例えば、毎月定例理事会を開いて、管理会社のフロント担当にも出席してもらい、その場で理事会から業務内容のチェックや指示を行うような形でも良いでしょう。そして決めたことはちゃんと理事会議事録に残して、毎月の理事会でフォローができるような仕組みにしておくことも大事だと思います。サラリーマンであれ、自営業者であれ、仕事上の協力会社やパートナーとの付き合い方の基本はどこの世界でも同じ。マンション管理の世界でも、管理組合と管理会社の関係にはまったく同じことが言えるのですが、残念ながらそのことに気がついてない方が多いようです。