マンションにおけるペットとの共生

かながわ県民センターで行われた神奈川県マンション管理士会の第3回勉強会に出席しました。勉強会の様子はこちら。今回のテーマは「マンションにおけるペットとの共生について」で、講師には神奈川県住宅整備課の伊藤善夫氏と、まち協マンション管理相談員の計良孝子氏にお願いしました。計良氏の考えのユニークなところは、動物愛護の観点からマンションのペット問題を捉えているところ。マナーの悪い住人はどんなに細かいペット細則を作っても理解もできないし守れないのが現実であるとして、むしろ「自分のペットが幸せになるためのルール」という意識を持ってもらうことが大切としています。マンション管理士の立場からすると、管理組合活動を活性化することによって、管理規約や細則への理解度を高め、ペットクラブの設立や新しいルールづくりなどの体制を整える方向に考えがちですが、人間って理屈だけで動いているんじゃないんですよね。これは私自身が、過去の管理組合活動で何度も経験してきたところ。たしかにきちんとした仕組みやルールづくりは必要なんですが、それだけでは人間は動いてくれない。いくら立派なマンション管理適正化法が出来ても、管理組合活動の活性化していないマンションはいつまでもそのままであるのと同じように、やはり大事なのは、その必要性に自らが「気づく」ことなんだと思います。計良氏の考え方は、ともすればペット推進派と誤解されるところもあるようですが、それは間違いで、氏は「不幸な子(ペット)を増やすようなら、安易にペット飼育を容認してはならない」と訴えているように、ペットを飼うことの責任の重さを飼い主が「気づく」ことが問題解決の基本であるというもの。私もペット問題はそもそも住人のマナー意識の低さとコミュニティーの欠如に原因があると思っています。動物愛護の観点から集合住宅に住むことの意味を「気づく」こと。それを基にコミュニティーを形成していくのもひとつの有効な手段であると感じました。