共用部分の損害賠償請求は誰が原告になれるか

asahi.com : 住まいの「ここが知りたい!」の2003/06/27付記事で、マンションの共用部分の補修で損害賠償を求めるときには誰が原告になれるかという相談が載せられています。この記事の回答にもあるように、2003/06/01に施行された改正区分所有法により、管理者が共用部分の損害賠償を請求できることになりましたので、規約または総会決議によって管理者が原告となれます。標準管理規約では理事長が管理者と定められていますので、実際には理事長が原告となるマンションがほとんどでしょう。しかし、いざ裁判となると、原告としての負担が大きいことから、躊躇する理事長さんも多いようです。実際に私も裁判の前に理事長を交代できるかという相談を受けたことがあります。これに対して、横浜市のモデル規約のように、理事長を管理者せず、管理組合とマンション管理業者とは異なる第三者を管理者と位置づけた場合には、マンション管理士などの専門管理者が原告となりますので、裁判を起こす場合の理事長の負担も大幅に軽減されることになります。役員のなり手が少ない小規模マンションでは1つの有効な手段と言えるでしょう。なお、上の記事で紹介されているように、瑕疵担保期間が過ぎてしまった場合でも、20年の時効の前に欠陥工事のような不法行為が立証できれば、不法行為に基づく損害賠償請求を行うことも可能ですので、何か問題があればその原因を調査することが大事のようです。