廃墟ブームとマンションのスラム化

日経新聞2002/07/06付け朝刊の「NIKKEIプラス1」の「はやり入門講座」によると、長年使われずに放置されたままになっている工場やホテルの廃墟が、最近ブームになっているそうで、廃墟だけの写真集がベストセラーになったり、愛好家のホームページもたくさん出来ているそうです(例えば「廃墟エクスプローラー」にはマンションの廃墟もいくつか紹介されています)。単に「廃墟=暗くて怖いもの」という怖いもの見たさだけではなく、その建物が使われていた時代への郷愁や無常観、建築に対する関心などがブームの根底にあるとのこと。マンションの廃墟で思い出すのが、202003/01/2002/09/02にTBS「噂の東京マガジン」の「噂の現場」で放送された博多駅前のマンション。正確には廃墟ではなく、ライフラインの停まった中で、まだ住人の方が一人でがんばっておられますが、コミュニティーが失われてマンションがスラム化すると、最悪こうなってしまうのだというということをショッキングな映像と共に思い知らされました。私は廃墟にはまったく興味がありませんが、自分の住むマンションが廃墟にならないようにすることには大変興味があります。マンション住人は誰も自分の住むマンションがスラム化することを望んでいないはずですが、残念ながら日常生活に追われて、将来のことまであまり考えていない人が多いことも事実でしょう。そのような人たちに管理組合活動やコミュニティー確立の重要性を啓蒙していくこと。これもマンション管理士に与えられた社会的使命だと感じています。