マンションの寿命

asahi.com : 生活の「住む」NEWSの2002/07/19付記事「老朽マンション建て替え要件 「築30年以上」明記」で、区分所有法の見直しを進めてきた法制審議会の専門部会が、7/18(木)に改正要綱案の大要を固めたことが紹介されています。それによると、「築30年以上」とするか「築40年以上」とするかで検討がされていた建替え要件は、結局「築30年以上」に落ち着いたようです。すなわち、築30年以上のマンションは、区分所有者の5分の4以上が賛成すれば建て替えができることになるようです。単純に30年という築年数を要件とする案には異論も多いですが、現在の「建物が効用を維持・回復するのに過分の費用を要するに至ったとき」というあいまいな要件が数多くのトラブルを生んでいる状況を考えると、止むを得ないところでしょう。ただし、年金生活者等、経済的に建替えに参加できない住人の救済手段も、今後は真剣に講じていく必要があると思います。バブルの崩壊により、「等価交換方式」による建替えが夢物語となってしまった現在、いくら法整備がされたとしても、建替えの実現はけっして容易なものでなく、計画的に修繕をしっかり行い、マンションの寿命を延ばしていく努力がますます重要になってきていることに変わりはありません。しかし、マンションの寿命を30年ではなく、60年、あるいは100年と考えるとしても、いずれ建替えが必要になることは事実です。人間は自らの限りある命を意識することにより、今ある生を一所懸命に生きようという気持ちになると言われます。同じように、私がマンションの管理組合活動に一所懸命になっている理由も、自分の住むマンションの限りある命を意識するようになったからなのかもしれません。