規約に違反するペット飼育

読売新聞 YOMIURI HOME GUIDEの「住まいの相談室」の2002/08/30付記事「マンションの規約に違反する犬は、やはり飼えないのですか!?」で、管理規約に反することを知りながらマンションで犬を飼い続けてきた相談者のQ&Aが載せられています。この相談者は新築マンションに入居時から4年間犬を飼育しているようで、他の入居者に迷惑のかからないようにしてきたが、突然理事会から手放すように通告されて困っているとのこと。法的に考えれば、管理規約に違反してペットを飼育することは許されず、もし飼育を認めるのなら、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成で規約を改正すること、となるでしょう。ただし、上のケースでは管理組合は4年間も犬の飼育を黙認してきたような形ですので、管理規約の規定自体が居住者の総意とズレてしまっている可能性があります。また、管理組合が一方的に是正措置を求めることで、マンションの居住者の間に感情的なしこりを残す危険性もあります。マンションの問題は、法的に正しい解決方法が必ずしも最善の解決方法とは限りません。この記事の回答にもあるように、規約に違反してペットを飼育している者がいたときは、管理組合としてはまず理事会で検討すること。そしてアンケート等で居住者の意向を確認するなどの慎重な対応が求められるでしょう。もちろん違反者とも十分に話し合いの場を持つことは言うまでもありません。