等価交換方式での建替え事例
日経新聞2002/09/19付け夕刊の社会面の記事「プリズム現代第5集 高齢マンション再生(1)」で、80年前に建てられた5棟123戸(戸当り面積30平方メートル前後)の鉄筋コンクリート住宅が、この8月に等価交換方式で35階建ての高層マンション「ウエルタワー深川」(304戸)に生まれ変わったことが紹介されています。旧住民は自己負担金なしで、約1.5倍の広さの部屋を得ることができたそうです。ただし、再開発を担当した公社によると「今回のように恵まれた例は最後になるだろう」とのこと。地価やマンション価格の下落により、余剰戸の販売による資金調達も難しく、さらに供給過剰気味の郊外では、余剰戸を造っても完売できる保証もないようです。容積率等の制限で、そもそも余剰戸を造ることができないマンションの建替えはさらに深刻でしょう。資金面の問題だけでなく、マンションの高齢化に伴って、住人自身も高齢化していくという問題もあります。最近、建て替え円滑化法の施行や区分所有法の改正の動きがマスコミで相次いで取り上げられていますが、マンションの「老後」の問題について、居住者のみなさんに意識を高めていただくには良い機会のように思います。