マンション管理士任意講習に出席

マンション管理センターの主催により、9/20、9/21の2日間、渋谷のフォーラム8で行われたマンション管理士任意講習に出席しました。第1日目の午前中はマンション管理センター管理部長の小倉氏による「相談の現状について」と、聖心女子大教授・弁護士の升田純氏による「標準管理規約と管理規約の見直し」。小倉氏によるとマンション管理センターに寄せられる相談の件数は平成14年度の4?7月の4ヶ月間は対前年比47%増の3,331件。そのほとんどは電話による相談で、内容のトップ5は管理組合の日常運営、総会、区分所有法・管理規約、管理会社、適正化法がとのこと。升田氏は、管理規約を作るには日頃からそのマンション内のささいな問題を書き留め、人間関係を理解し、タイミングを見て提案し、オープンかつ穏やかに多数派工作をし、規約成立後は果断に実行することが大事とのこと。とにかくマンション管理士は自営業・サービス業であり、日々の営業活動とサービス品質の向上のための努力が必要であることをお話の中で何度も繰り返されていました。午後の講義はファイナンシャルプランナーの松本佳也氏による「マンション会計業務と資産管理」と、弁護士の松田弘氏による「管理委託契約と重要事項説明」。松本氏はマンション管理士には簿記の知識も必須であることを訴え、推奨する金融商品の話にも触れました。松田氏は国土交通省の通達と実際の記載例をもとに、ときおり冗談を交えた軽妙な語り口で重要事項説明書の意味と作成方法の解説をしました。第2日目の午前は国土交通省市街地建築課長補佐の本間伸彦氏による「マンションの建替えの円滑化等に関する法律について」と、日本マンション学会長・千葉大教授の丸山英気氏による「区分所有法改正の方向について」。本間氏は建替法が出来た背景や経緯を紹介しながら、行政としての考え方と取り組みを説明しました。丸山氏は現行の区分所有法が制定された歴史的な経緯について触れた後、改正案要綱の内容を一通り説明しましたが、土壇場で建替えの要件が単純に5分の4以上の多数決のみで可能になったことは、単独所有権をないがしろにするものとして、「世界的に見れば極めて異質」と憂いていました。午後は本設備診断機構専務理事の安孫子義彦氏による「給排水設備と漏水問題について」と、建物診断センター代表取締役の澤田博一氏による「大規模修繕について」。安孫子氏の説明は図や写真を交え、技術的にかなり深い内容でした。特に給水管についてはマンションの築年代によって材料や問題の発生原因や箇所が異なること。材料的には問題がなくても現場の作業者のミスによりトラブルの要因になること等の話をしました。澤田氏は、大規模修繕には周到な準備と広報活動、現場代理人の資質、連絡体制等が重要であることを強調した上で、豊富な事例写真を使用して具体的な対応方法の説明をしました。ときおり睡魔に襲われながらも、総じて大変参考になる内容だったように思います。なお、東京会場では申込者が定員の2倍に達したそうで、来年の2月に再度同じ内容での任意講習を予定しているとのこと。今回抽選で見学コースに外れた人も、見学コースのみの参加も可能になるようですので、ぜひ検討されてはいかがでしょうか。