デジタルデバイド(情報格差)の問題

最近のインターネットの普及により、情報の発信や交換は飛躍的に便利になりましたが、いつも問題になるのがインターネットにアクセスする環境を持たない方々、いわゆるデジタルデバイド(情報格差)の問題です。この問題はもともと情報技術(IT)を使いこなせるかどうかによって経済的格差が発生することを指すものですが、逆にこの問題が存在するために情報を発信する側にも大きな負担がかかってくることにもなります。インターネットを利用すればメールの送信でボタン1つで何人にでも瞬時に情報発信ができるのに対して、これらの方々には、FAXや郵送といった時間と手間のかかる作業が発生します。私が所属する神奈川県マンション管理士会準備会も、当初はマンション管理センターの掲示板での呼びかけに応じた有志が集まった団体でしたので、従来は電子メールによる情報交換だけでほとんどが済みましたが、「神奈川県」の名称を冠する団体として規模が大きくなるにつれ、インターネットにアクセスする環境を持たない会員の方々の存在も無視できなくなってきました。さらに、インターネットにアクセスする環境があればそれで良しという単純な話ではなく、携帯電話でのメール受信で長文や添付ファイルを受け取れない人、使用するワープロ、表計算ソフトの種類・バージョンの問題でファイルを開けない人、さらにメールサーバーによっては受信メールのサイズ制限や、ウィルスチェックで自動的に削除されてしまうファイル形式もあったりと、ひとくちに電子化と言っても実際にはなかなか大変です。かつてOA化の推進によって、ペーパーレスどころか逆に紙の使用量が増えるという状況が一時期あったように、今はIT化が進むにつれて、逆に事務作業が増えるという過渡期にあるのかもしれません。