マンションの駐車場問題

日経住宅サーチの「マンション管理サテライト」2002/11/12付記事「第15回 マンションの駐車場問題」で、騒音・ペットと並ぶ3大トラブルの1つである駐車場問題が取り上げられています。新築マンションでは入居前の抽選で駐車場の利用者を決定することが一般的ですが、その後の再抽選の方法等が明確に定められていないケースが多く、特定の居住者だけが半永久的に恩恵を受けるという不公平が生じ、それがトラブルの原因になるようです。そもそも駐車場の契約期間や更新方法、使用料の改定方法、第三者への譲渡や貸与については、使用細則で不公平のないように定められていなければなりません。しかし、マンション内のコミュニティーが未成熟だと「既得権」を主張する居住者も現れたりして、公平な規定を作るのは結構骨の折れる作業になります。私の住むマンションは使用料「無料」の駐車場が全戸分だけあり、機械式駐車場の上・中・下段は入居前の抽選会で決まりましたが、下段はRV車を停められなかったり、出し入れに時間がかかったりするため、下段使用者の不公平感が大きく、駐車位置のローテーションや再抽選を望む声がありました。駐車場問題検討委員会を設けて、上段・下段それぞれの立場の代表者が意見交換を行い、アンケート調査や説明会といった地道な活動を続けた結果、3年ごとの再抽選と上段・下段で料金格差を設ける制度を作ることができましたが、結局のところは、マンションというひとつの屋根の下で他の居住者と一緒に快適に暮らしていくには、不公平をなくすことがみんなのためでもあり、自分のためでもあるのだということを、どれだけの人に気づかせることができるかということに尽きると思います。そのためには、とにかく話し合いと広報活動。そうした地道な活動により、時間をかけて合意形成を行っていく中で、自然に仲間意識が生まれ、マンション内のコミュニティーも成熟していくのだと思います。