東京都の分譲マンション施策

東京都の「これまでの発表資料」の「調査・報告」の2002/12/03付記事「東京都の分譲マンション施策の総合的な推進について」で、より良質なマンションストックの形成を目指すために、マンション建替え円滑化法の施行に伴う支援策や、優良マンション登録表示制度などの新たな施策が発表されました。マンションの建替えに関する支援策としては、従来の容積率の割増を可能にする制度の創設などに加えて、新たに(1)分譲マンション建替え・改修アドバイザー制度の創設、(2)都営住宅等の活用による仮住居の提供、(3)相談体制の整備及び情報提供を行うそうです。また、マンションの維持・管理に関する支援策としては、平成12年から実施している分譲マンション管理アドバイザー制度に、新たにマンション管理士を活用するとのこと。活用開始時期は平成15年6月となっており、いよいよマンション管理士の出番のようです。今のところ、分譲マンション管理アドバイザー制度の利用者はあまり多くないようですが、マンション建替え円滑化法の施行や、区分所有法の改正に伴って、マンション管理に対する住人の意識が高まりつつある昨今、マンション管理士を有効活用し、管理の適正化を目指すマンションが増えることを期待します。さらに、東京都優良マンション登録表示制度の創設を行い、管理組合からの申請に基づいて、都の定める一定基準以上のマンションを登録し、ホームページ等で情報を提供していくそうです。耐震性能等のハード面だけでなく、管理規約や長期修繕計画、共用部分の維持管理内容といったソフト面も評価対象となっていることが特徴です。この制度による登録マンション情報がマンション流通市場で有効活用されるようになれば、マンションの適正な維持管理を行うための大きなモチベーションになるように思います。他の地方自治体でも東京都を見習って、ぜひ同様の制度を作っていただきたいと思います。

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