ベランダから入ってくる煙草の煙に苦痛

日経住宅サーチの連載コーナー「住宅ねっと相談室」の2002/12/04付け記事で、マンションのベランダから入ってくる煙草の煙に苦痛を感じている相談者のQ&Aが載せられています。ベランダの排気口から出てくる煙草の煙が部屋の中に入ってきたり、洗濯物にも臭いがついてしまうため、管理組合に相談して全世帯にビラを配ってもらったそうですが、いっこうに改善されないそうです。管理組合からの呼びかけで、いわゆる「ホタル族」のようなベランダでの喫煙を遠慮してもらうことまではできるとしても、居室で煙草を吸うのは自由ですし、排気口から出てくる煙まで何とかしてほしいと言うのも無理があるかもしれません。しかし不幸にも排気口が隣室の窓のすぐ近くにあって、そこから出る煙草の煙が隣人に迷惑をかけているとすれば、当然喫煙者としては隣人を気遣い、別の排気口や窓から煙を出す等の配慮があってもしかるべきでしょう。私も非喫煙者で煙草の煙は苦手なので、飛行機やレストランでは必ず禁煙席を選びます。嫁さんや子供たちから顰蹙を買うので、宴会や会議から帰宅後のシャワーも欠かせません。全館禁煙のマンションがもしあったら魅力的だなとヘンなことを考えたりもしましたが、この問題は単に排気口の配置が悪いというだけではなく、ペットや騒音の問題と共通した居住者のマナーに関わる問題のように思います。マンションは鍵ひとつでセキュリティとプライバシーが確保され、煩わしい近所づきあいも不要という誤解をしていると、ともすれば「自分さえ良ければ」という考えに陥りがちですが、マンションという集合住宅で本当に快適な暮らしを求めるのであれば、マンションの住人全員が同じ建物に住む仲間同士という意識を持つことが実は一番大切なことなのです。そのことに気がつくことができるかどうかで、この問題に対する取り組み方もだいぶ変わってくるような気がしてなりません。