価値観を共有するための工夫と努力

日経BP「Small Biz」の小山社長のコラム「心を豊かにするIT」の「第23回 ユーモアを交えながらミッションを伝える」と「第24回 重要なメッセージは、表現を変えて繰り返し伝える」の2回に渡ってコラム執筆者の小山昇氏が社長を務める株式会社武蔵野の「政策勉強会」の様子が紹介されています。一番前に一般社員、その後ろに来賓、最後列に経営幹部が座るという会場設定もユニークながら、社員ひとりひとりのエピソードを盛り込んだ和気あいあいの雰囲気の中での表彰式や、その後の業績発表や新規事業計画・給与体系の発表でもキーパーソンを壇上に上げて巧妙なやり取りの中で重要なメッセージを盛り込むなど、イベントの随所に小山社長の社員と同じ価値観を共有したいという考えが現れていたそうです。会社経営者として優れたリーダーシップを発揮していくには、社員と価値観を共有するために大変な手間とエネルギーが必要ということでしょう。マンション管理組合でも理事会を「経営者」と考えると、まったく同じことが言えるのではないかと思います。ただし、職業も生活時間帯も異なる私たちマンション居住者は、日頃お互いに顔を合わすチャンスも少ないですし、交通手段や通信手段の発達した都市生活者にとっては単に同じ地域に住んでいるというだけでは、コミュニティーの形成が難しい時代になっています。私はこのようなマンションで住人の管理意識を高め、価値観を共有するには、広報誌の発行が最も有効な手段であると考えていますが、いずれにしても、マンション管理組合の理事会が優れたリーダーシップを発揮していくには、「経営者」としての自覚を持ち、住人全員と価値観を共有するための工夫と努力が必要だと言えるでしょう。