裁判所の見学ツアーに参加

東京マンション管理実務の集いによる東京地裁と東京簡易裁判所の見学ツアーに参加しました。裁判所の見学をしたことがなかったので、なんとなく近寄りがたいイメージがありましたが、敷金返還や損害賠償請求等の身近なトラブルに真摯に対応している裁判官の方を見ていると、言わば喧嘩の仲裁役として、時には当事者を諭すカウンセラーのような役目までされていて、大変なお仕事であると思いました。特に簡易裁判所の少額訴訟では弁護士を立てずに当事者本人が裁判に臨むケースも多いようなので、法律の専門用語がなかなか理解されずに苦労されているようでした。私が傍聴した損害賠償請求の事件では、裁判官の提示する和解の提案を当事者の方がなかなか理解できずに、裁判官の方も説明に困っておられましたが、「心証」、「蓋然性」、「訴訟経済」といった専門用語の分かりにくさも原因にあるように思いました。区分所有法に「マンション」、「管理組合」、「理事長」といった一般的に馴染みのある言葉が出てこないことに象徴されるように、法律には私たち一般人が普段使うことのない専門用語が多いです。私たちマンション管理士もともすれば区分所有法の記述をそのまま使って説明をしがちですが、一般の方にも分かりやすい表現で伝えることが重要であると思いました。かくいう私も本業ではパソコンのトラブルでユーザーの方をサポートするのに、コンピューターやネットワークの専門用語をそのまま使ってしまい、相手の方にまったく理解してもらえないことがしばしばあります。相談者の立場や理解レベルに合わせた、分かりやすい対応を常に心がける必要があるようです。