マンションにおける防犯について

住宅侵入盗の被害が急増

住宅への侵入窃盗の件数は過去10年間で30%の増加になっており、特にマンションでの被害が急激に深刻化しているそうです。侵入強盗の件数も過去10年間で119%増加しており、住人に見つかった後、居直り強盗や殺人に発展した事件も全国で多発しています。かつて「水と安全はタダ」と言われた日本も、国際化が進んだ結果、欧米並みの防犯対策が必要な国になったと言えるでしょう。

オートロックへの過信は禁物

マンションのオートロックは防犯対策としては完全なものではありません。犯行の目的をもって侵入しようとすれば、塀をよじ登るなど、比較的容易に侵入できてしまいます。玄関や窓が施錠されていないことから被害を受けるケースも多いため、家を空けるときは、オートロックを過信せず、少しの時間でも必ず施錠する習慣をつけましょう。

ガラス破りの侵入にも注意

特に1階住戸の方は、ガラス破りによる窓からの侵入にも注意する必要があります。これはドライバー等を使って窓ガラスに音もなく小さな穴を開け、窓枠のクレセントを解錠して窓を開けて侵入するものです。対策としては鍵付きクレセントや、サッシのレールに取り付ける窓用補助錠が有効です。屋上の出入りが自由な場合は、最上階の住戸も屋上からの侵入に注意する必要があります。

ピッキング被害は相変わらず多い

警視庁の統計によると、一戸建てではガラス破りが40%を占めるのに対して、マンションでは施錠開けによる侵入が40%と多く、そのうちの70%がピッキングによるものだそうです。当マンションのドア錠は比較的ピッキングには強いタイプですが、より防犯性能を上げるにはシリンダー錠等へ交換するなどの方法があります。なお、補助錠を取り付けることが最も有効な方法ですが、この場合管理組合の承認が必要になることがありますので、ご注意ください。

サムターン回し解錠に注意

2002年に社会問題となったカム送り解錠はあまり被害の実例はないようですが、それと対照的に今年に入ってから、サムターン回しによる被害が急増しているそうです。これはドアの鍵穴近くにドリルで小さな穴を開け、特殊工具を使って内側のサムターンを回して解錠するものです。ドアの内側に貼るサムターン解錠防止用のカバーがホームセンター等で市販されていますが、応急措置としてペットボトルの底を使ってカバーすることでも有効です。

住人の意識とコミュニティーが大切

犯罪者が犯行を諦める理由の第1は、近所の人からじろじろ見られたり、声をかけられたりすることだそうです。マンション内ではお互いに顔や名前が分からなくても、「こんにちは」と声をかけ合う習慣を付けることが効果的です。ハード面での対策も重要ですが、いくら対策をしていても、窓ガラスに穴を開けられたり、玄関ドアに穴を開けられたりすると、その修理代金だけで十数万円の被害になってしまいます。住人のひとりひとりが防犯意識を持ち、コミュニティーを醸成することにより、マンションや地域ぐるみで仕事しにくいと思わせることが最上の防犯対策であると言えるでしょう。