管理規約と用途制限

asahi.com 住まいの「ここが知りたい」の2005/06/11付記事「管理規約と用途制限の違反(2)」で、マンションの管理規約の用途制限に関する最高裁判例が紹介されています。これは、当初「駐車場以外の用途に変更しない」という条件で元地主に等価交換された区分所有部分が、その後転売されて店舗となったケースで、転売後の規約変更により専用使用部分を店舗として使用することを禁止された区分所有者が訴えを起こしたもの。第一審と第二審はいずれも管理組合側の勝訴となりましたが、最高裁はまったく反対の判断をしたそうです。すなわち上の「駐車場限定」という条件は元地主と分譲業者との間の「債権契約」であり、その後の転売によって購入した区分所有者に対しては無効という判断です。要は、専有部分の用途制限をする場合には、ちゃんと規約に明記しておかないとダメということですね。ちなみにマンション標準管理規約では、用途制限に関しては、「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」と定められています。この中の「専ら」という言葉に対して人によって解釈が異なるため、マンション内の学習塾や、SOHOの事務所など、どこまで認めてよいのか分からず現場で混乱が生じることがありますが、そこは標準規約のコメント「住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。」に従って解釈するのがよいでしょう。このコメントが上の「専ら」という言葉の解釈の通説になっていると思いますが、もし最初に紹介した最高裁判例が気になるようでしたら、このコメント部分も管理規約に明記しておくのがよいかもしれませんね。