地下ピット駐車場の排水ポンプのトラブル

日経BP「マンション新時代」の「実例に学ぶ賢いマンション購入ガイド」の「第2回「地下ピットの『落とし穴』」で、地下ピット式駐車場の排水ポンプの重要性が紹介されていますが、排水ポンプのトラブルで意外と多いのが、落ち葉やビニール袋が排水口に詰まってしまうケース。一般に機械式駐車場の点検業者はピット内の清掃まではしてくれないので、管理員などに依頼する必要がありますが、ピット内の作業は危険を伴うため清掃員や管理員が単独では出来ません。普段マンション居住者の目に触れないところですので、管理会社との管理委託契約締結または更新の際に、具体的に誰がいつどのように行うのか、確認をしておくのがいいでしょう。また、排水ポンプのトラブルや排水性能を超える集中豪雨などの際に備えて、消防訓練などの折に、少なくとも役員は「インターロック」の解除方法を知っておくのがよいと思います。一般にピット式駐車場では、あるパレットが上昇している際に、危険防止のためにその両隣のパレットや同じ操作盤の別のパレットは上下動しない仕組みになっています。これを「インターロック」といいます。このインターロックを解除する鍵が管理員室等に保管されていますので、それを使えばすべてのパレットを上昇させることが可能になり、地下ピット内の車が水に浸かるのを防ぐことができます。ちなみに、このインターロックはパレットの上昇位置を検出する「リミットスイッチ」という部品の働きによるのですが、この部品は機械式駐車場の中では最もトラブルの多いものです。急いで車を出さないといけないのにパレットが動かないという場合、インターロックを解除すれば動くというケースが多いので、裏ワザとして知っておくと便利かもしれません。ただし、インターロックを解除したままですと大変危険ですので、車を出した後は必ずインターロックを元に戻し、保守点検業者に修理を依頼してください。