危ない管理組合

日経BP「マンション新時代」の「この人に聞く」の「「危ない管理組合」?澤田博一氏にきく?(下)」で、澤田氏が、理事長としてのあるべき姿を語りながら、「理事長職は、ごく普通の社会人で十分に務まります。」と言っておられます。しかし、この「ごく普通の社会人」って何でしょう?澤田氏が好ましくない理事長の例として挙げているような、(1)理事長職に就くとエラくなったような気分で独善的な理事会運営をしてしまう理事長さん、(2)完璧主義で誠実すぎてプライベートな時間や仕事を犠牲にしてまで区分所有者の質問に応えている理事長さん、(3)人に頼めずに理事会の仕事を自分一人で背負ってしまう理事長さん・・・、むしろそういう人たちが「ごく普通の社会人」なのではありませんか?澤田氏は「ズボラな人か、そうでなければ、完璧主義者の人と、極端なタイプが多く、「中庸」が少ないように感じます。」と言っておられますが、そもそも完璧主義的なところもなく、ズボラなところもない、「完全中庸」な人なんて世の中にいるわけがありません。私はかなり完璧主義的な人間ですが、結構ズボラなところもありますし、完璧主義的だったことによる失敗も、ズボラだったことによる失敗も、今までの人生の中でそれぞれ多数経験しています。完璧主義的でもある半面、少しズボラなところもある、そういう欠点だらけの普通の人が輪番制で理事長になってしまって、結果的にまともな管理組合運営が出来ていないのが、「危ない管理組合」の抱える問題点なのでしょう?それに対して何ら具体策も提示せずに「健全な常識人たれ」と精神論だけで唱えても事態は改善しないですよ。むしろ、そういう欠点だらけの普通の人でも、健全な管理組合運営ができるようにするには、どうしたらいいかを提言すべきではないですか?例えば、マンション管理士などの専門家から助言・支援を得るのはひとつの有効な方法でしょう。そのためにマンション管理適正化法が施行され、マンション管理士制度が誕生した訳ですから、それを利用しない手はありません。あるいは、地域の管理組合同士がネットワークを構築して、交流会などで情報を共有するのもいいでしょう。インターネット上の掲示板やメーリングリストで、他のマンションの役員さんと情報交換するのもいいでしょう。全国の多くの理事長さんが、管理組合運営に悩みながらもがんばっておられます。私はこのホームページを通して、そのような理事長さんのお役に少しでも立てればと思っています。

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  1. 菅 理人 より:

    ブログ版今日始めて拝見しました。御高説に共感いたします。これから宜しくお願い申し上げます。

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