マンションのバルコニーに物置を置くことの是非

日経住宅サーチの「マンション管理サテライト」の2003/02/17付記事「第22回 バルコニーに物置を置くことはなぜいけない」で、マンションのバルコニーに物置を置くことの是非が説明されています。バルコニーは共用部分ですので、勝手に温室やサンルームに改造してはいけないのは当然ですが、物置を置くことも一般的に使用細則で禁止されているケースが多いでしょう。これは緊急時の避難通路に使われることや、美観上の問題、設置に伴う建物の劣化の恐れ等が理由です。では物置でなくてトランクボックスなら良いのか、ウッドデッキは?、人工芝は?、大型の植木鉢は?、イスやテーブルは?と、「通常のバルコニーの使用法」とは何ぞやと疑問を上げたらきりがなくなってしまうので、どこまで許容されるのかは、避難通路、美観、建物劣化の観点から問題がないかどうかを考えながら、個別に判断するしかないように思います。これに関しては賃貸マンションで間口1.5m、奥行き90cmのスチール製物置の設置をした賃借人に撤去を求めた東京地裁平成3年11月19日判決が参考になりますが、これによれば、避難通路の妨げにならず、かつバルコニーの手すりよりも低い高さのもので、ひと1人の力で容易に動かせる大きさと重量のものであれば許容範囲内と考えることもできるようです。一方、あれはダメ、これは良しという細かいルールを定めるか、あるいは一律にすべてを禁止してしまうのもひとつの方法ではありますが、ルーズな私としては修道院に暮らすような厳しい戒律に縛られた窮屈な生活は性に合わないので(^_^;)、画一的なルールを作るのではなく、避難通路、美観、建物劣化の観点で問題がないことを基本的な考え方として、あとは住人のみなさんの意識を高めるなり啓蒙を進める方向で考えるのがベストのような気がしています。いろいろなケースを想定して細かいルールを定めるのではなく、住人全員が基本理念をしっかり持つことによって各自の判断で臨機応変の対応ができるようにすること。そんなマンションが理想だと思います。