マンションの解体にかかる時間と費用

日経住宅サーチの「知る・学ぶ」の「住宅なんでもHow much!」の2003/03/04付け記事、「エンド・オブ・ザ・マンション 解体のための工期と工費」で、建替えや一般定期借地権のマンションで50年後に建物を解体して更地にして返す場合に、マンションの解体にかかる時間と費用の話がされています。郊外の5階建、述べ床面積2000平方メートル、24戸の標準タイプのマンションだと、「大型ブレーカ・圧砕工法」という工法が使わて、油圧ショベルの先端に付けた破砕装置で、建物をかみ取っていくのだそうです。解体には調査を含めて約3ヶ月、約3000万円がかかるとのこと。一方、超高層型のタワーマンションの場合は、屋上にクレーンを建て、コンクリートを切るための特別な機械を使って小さく切断した部材を、クレーンでひとつずつ吊り下ろしていくのだそうです。そのため、解体には18ヶ月もかかってしまうそうで、新築に必要な期間の26ヶ月の70%に相当するとのこと。以前、建設会社に勤務する友人のM氏が「超高層マンションは堅すぎて壊せない」と言っていましたが、やはり現在の建築技術では解体は非現実的のようで、画期的な工法が出てくるまでは建替えや更地にするのはお預けといったところでしょうか。建替え円滑化法の施行や区分所有法の改正によって、マンションの建替えに対する法的な整備は進みましたが、現実的には経済的な問題があり、建替えの合意形成は難しい状況です。超高層マンションではそれに加えて技術的な問題もあるということでしょう。逆に解体は技術革新がなければ不可能と考えれば、もともと建替えは考えに入れずに、長命化を図ることに集中できるかもしれませんね。