関東大停電の危機とコンティンジェンシー・プラン

asahi.com : 住まいの「週間朝日・アエラから」のAERA:2003年5月2日号記事「関東大停電の危機」で、東電の全17基の原発が停止していることから、今年の夏に首都圏で大規模な停電の危険性があることが紹介されています。現在停止中の原発は17基合計で1730.8万kWの発電能力。今年の夏が猛暑となった場合、最大電力が6450万kWになるのに対して、東電の供給能力は原発なしだと5500万kW。10基程度の原発を再稼働しなければ950万kWの電力不足になり、停電もありうるそうです。(財)生協総合研究所の調査によると、夏場の電力消費のピークは、従来定説だったクーラーをつけた部屋で高校野球を見るからというのは間違いで、実は企業の消費電力がピークになることが原因。経済産業省は対策としてビルの夏場のエアコンの設定温度を29?30℃にすることを奨励する予定だったそうですが、企業で節電を進めるにも、労働安全衛生法によりビルの室内温度は17?28℃にしなければならず、これ以上エアコンの設定温度を上げるのは不可能で、節電するにも限界があるようです。この「関東大停電」が現実に起きるとすると恐ろしい話ですね。うちのマンションで停電が起きると、エレベーターや機械式駐車場が使えなくなることはもちろんですが、給水ポンプも止まるため断水にもなります。オートロックも使えません。エレベーターに閉じ込められる心配もありますし、同じタイミングで集中豪雨でも起きようものなら、機械式駐車場の排水ポンプが動作せず、多くの車が水に浸かる危険性もあります。あらためて停電になった場合のことを考えると、多くのマンションは安定した電力供給があることを前提として生活の場として成り立っていることが分かります。万一そうなった場合のコンティンジェンシー・プラン(緊急時対応計画)について、理事会で検討をしておく必要があるかもしれません。