マンション管理士の顧問契約事例

文京区勤労福祉会館(駒込)で行われたマンション管理士研究会「友士会」の5月度定例会に出席しました。旧メンバー12名と新メンバー22名による活動報告の後、今回の勉強会のテーマはO会員による「マンション管理士の顧問契約について」。現在O氏は全部委託のマンションと自主管理のマンションの2つの管理組合と顧問契約を締結して活躍中。大規模修繕工事を丸投げした管理会社に多額の積立金を持っていかれてた実例を示しながら、マンション管理士の活躍の場はすべて管理会社まかせの「御用組合」にあるとしました。たとえ管理会社まかせではダメと思っていても、区分所有者は本業で忙しく、いざ自分でやるのはイヤという区分所有者が大半で、そこにマンション管理士が入り込む要素があると力説しました。そして組合の立場から管理会社にニラミを利かせていれば、マンション管理はうまく行くとしました。またマンション管理士をビジネスとしてやっていくには自己PRが不可欠として、「マン研」ホームページなどの活用を勧めました。気になる顧問料については、全部委託のケースではいかにサービス低下を招かずに顧問料を捻出するかが大事であるとする一方で、自主管理マンションでは役員の事務作業を肩代わりしているため、顧問料はその対価として理解を得やすいという見方を示しました。最後に友士会は実務派集団としてマンション管理に関する「シンクタンク」の役割を果たしているとして、友士会ネットワークの活用を訴えて結びました。Q&Aでは、「管理委託費の値下げ達成分のある割合を報酬としてもらえないのか」という質問もありましたが、O氏は「私は『値切り屋』ではなく、管理組合の財産を守ることが仕事」ときっぱり。いや、お見事(パチパチ)。講演全体がマンション管理士を1つのビジネスとして捉えた流れで構成されていただけに、O氏のこの一言には深く感銘を受けました。ビジネスが成功するには優れた理念が必要とされるように、マンション管理士としての成功も優れた理念に裏打ちされるもののようです。