築30年以上の分譲マンションの実態調査結果

東京都ホームページの「報道発表資料」の2003/05/26付で「築30年以上の分譲マンションの実態調査結果について」が公表されました。PDFファイルはこちら。都内に立地する築30年以上の分譲マンションの維持管理、大規模修繕工事及び建替えに係る状況を調査するため、平成13年度から14年度にかけて、民間、公的合わせて全1,137件の管理組合等を対象にアンケート調査を実施した結果をまとめたもので、回答率は42.0%。その結果によると、管理組合があるマンションは約78%で、平成10年に民間分譲マンション全体を対象にした調査結果の約95%を下回り、築30年以上のマンションでは管理組合がちゃんと組織化されていないケースが多いようです。長期修繕計画があるマンションも約58%で、平成10年調査のマンション全体の約69%と比べると低い水準。修繕積立金を徴収しているマンションは約87%。そのうち、長期修繕計画に基づいて徴収しているマンションは約46%にとどまっているようです。築年数で見ると、築30?34年のマンションでは、約45%が役員会を月に1回程度開催し、約69%が管理規約を改正したことがあり、約89%が修繕積立金を徴収し、約64%が長期修繕計画を持つのに対して、築40年以上のマンションでは、役員会を月に1回程度開催しているのは約27%、管理規約を改正したことがあるのが約23%、修繕積立金を徴収しているのが約31%、長期修繕計画を持つのが約12%となっており、築年数の古いマンションほど、深刻な状況であることが分かります。規模別に見ると、100戸以上のマンションでは約96%に管理組合があり、約94%が修繕積立金を徴収し、約24%が建替えを検討中であるのに対して、19戸以下ではそれぞれ約64%、約69%、約5%にとどまっており、小規模マンションほど問題を多くかかえているという状況が浮き彫りになりました。マンション管理士のような専門家のサポートを本当に必要としているのはこのような小規模マンションなのですが、戸数が少ないと外部の専門家の協力を得るための予算を取りにくいのも事実。行政としては、このような問題を抱えたマンションへの情報提供や意識啓発を進めると同時に、気軽に専門家の援助を求めることのできる環境をいかに整備するかに手腕が問われていると言えるでしょう。