自主管理マンションでのマンション管理士の位置づけ

北区滝野川会館で行われたマンション管理士研究会「友士会」の7月度定例会に出席しました。マン管センターの総合講座と重なったせいか、今回の出席者はちょっと少なめで24名。全員の活動報告の後、今回の勉強会のテーマは「マンション管理士の管理組合のサポート業務に関する質疑応答会」。管理組合と顧問契約を締結して活躍中の会員5名がコメンテーターとなって、会員からのフリーの質問に答える形で進められました。前回の定例会で勉強会のテーマと講師を決める時間がなかったため急遽企画されたものでしたが、顧問契約の期間や、実際の業務、報酬の額など、管理組合との顧問契約の内容を問う質問に加えて、排水管高圧洗浄費用の相場や、大規模修繕の業者の探し方など、管理組合の実務に関する質問も多数飛び出して、会員同士での活発な意見交換会となりました。私も日頃疑問に思っていた自主管理マンションでのマンション管理士の位置づけについて質問。委託管理マンションの場合は、管理業務に関して、管理組合が委託者、管理会社が受託者という明確な役割分担があり、マンション管理士は委託者側の立場で管理組合をサポートする形になりますが、自主管理マンションの場合は、マンション管理士自身が受託者として実際の管理業務に携わることになるため、管理会社にかなり近い存在になります。実際、自主管理マンションで顧問契約を締結している会員の話を聞いてみると、管理業者登録をしなければ出来ない業務を除けば、ほとんどすべてのことを行っているとのことで、実務的にはほとんど管理会社のフロント担当者の仕事に近いという印象を受けました。しかし、管理会社にすべてお任せの構図が、単にマンション管理士にすべてお任せの構図に置き換わるだけではあまり意味がありません。マンション管理士にはより高いモラルが要求されると同時に、管理業務を管理会社ではなくマンション管理士に委託することの付加価値は何なのか、自主管理マンションではその本質が問われているように感じました。