管理会社とよい関係を築くための管理組合の心構え

日経BP「Small Biz」のメンバーズコラム「システム業界打ち明け話」の「第43回 ベンダーとよい関係を築くためのユーザー企業の心構え」で、企業がベンダー(外部の協力会社)を使ってシステム構築に臨む際の心懸けと、具体的に留意すべきポイントが解説されています。この記事の「ベンダー」を「管理会社」、「ユーザー企業」を「管理組合」、「システム化」を「マンション管理の適正化」に置き換えて読むと、実に教訓的な文章になりますので、ご紹介しましょう。「(前略)・・・まず肝に銘じなければならない点は、自分たちと管理会社はあくまで対等である、ということだ。・・・(中略)・・・マンション管理の適正化が成功しない大きな原因として、(中略)管理組合側が、自分達のほうで果たすべき責任を全うしていないということだ。実際に管理組合が作成すべき年間事業計画や予算案など、管理会社側には分かるはずもない。あくまでも管理組合自身が自分たちのマンションの資産価値の維持と住環境の向上を熟慮して策定すべきものである。これは少し考えれば理解できることなのだが、なぜそれがうまくいかないのか。実はこの裏に、「自分達は客だぞ」という管理組合の意識が見え隠れするのである。「金を出すんだから、こっちに余計な負担をかけないでくれ」「金を出すんだから、そっちで何とかしてくれ」と…。私に言わせれば、このスタンスこそ諸悪の根源なのである。これは突き詰めて行けば、管理組合自身が本来のマンション管理の適正化の重要性を理解していないということだ。まず自分の住むマンションの現状分析ができていなければ、どこをどう改善していけばいいのかも分からない。つまり、管理組合と管理会社があくまで対等というのは、「管理組合、管理会社の双方が、各々に果たすべき役割を持っているということを充分に認識する」ということに他ならない。そして管理組合は、「管理会社に自分のマンションの管理の適正化をしたいと思ってもらうために、自分たちはどのような責任を果たすべきか」という視点でマンション管理を眺めてみるべきだろう。・・・(中略)・・・こうした姿勢でマンション管理の適正化に取り組んでなお、管理会社に不満が出るということなら、それはその管理会社がミスキャストだったということだ。すぐに管理会社を変更すべきだろう。逆にそこまで自信を持っていいと思う。・・・(中略)・・・最後に、目的が曖昧なまま進んだマンションの陥りがちな状況をご紹介しておきたい。これらの例は反面教師として捉えていただければと思う。例えば、修繕積立金の積立額が少ないマンションがある。これは管理組合の目的や条件が定まらないために、修繕積立金の見直しがズルズルと遅れてしまうのだ。その結果、大規模修繕に影響が出てしまうことになる。もし自分たちの目的や条件がうまく提示できないようなら、マンション管理士を活用するのも一つの方法である。・・・(中略)・・・次に、手段にのみとらわれてしまっている例もある。つまり「マンション管理費の削減」で法外な成功報酬を要求するコンサル企業がまかり通っている場合だ。手段が目的にすり替わってしまっている。大事なのは、管理費の削減は何のために、ということである。繰り返し、繰り返し、目的や目標の周知徹底が必要だろう。・・・(後略)」。以上、かなり省略しましたが、「我が意を得たり」という部分が多く、ついつい長くなりました。今日はここまで。