マンション管理士との付き合い方

日経住宅サーチの「マンション管理サテライト」の2003/08/18付記事「第35回 マンション管理士との付き合い方」で、これからの管理組合とマンション管理士のあるべき姿が考察されています。マンション管理士が誕生してから1年ちょっとが過ぎ、最近ではちゃんとした報酬を得てマンション管理士業を行っている方もずいぶん増えてきました。しかし、一方では私のように管理組合役員が勉強をして管理士資格を取得し、自分の住むマンションの諸問題の解決に役立てようとがんばっている方が多いのも事実でしょう。上の記事の中でも、住宅コンサルタントの平賀功一氏は、弁護士や税理士などのトラブルや相続など限られた場面で活躍の場がある専門家と異なり、マンション管理士はトラブルが起きないように予防するのが本来の役目として、「組合役員が勉強して自ら管理士資格を取得するのが理想」と述べています。ただし、理想と現実のギャップは常に存在するもの。マンション管理士資格を持つ区分所有者が理事会をかき回して、逆にトラブルメーカーになってしまうケースもあるようです。マンション管理士の資格を持つ者は、区分所有法や建築技術など、マンション管理に関して幅広い高度な知識を持っていることは確かですが、実際のマンション管理の現場で要求されるのは、むしろ合意形成やコミュニティー形成のためのノウハウ、管理組合を円滑に運営するためのリーダーシップやコミュニケーションスキルといった別の資質に依存する部分が大きい訳で、そのギャップがマンション管理士に対する様々な誤解や問題を生んでいると言えるでしょう。当然マンション管理士はそのギャップを埋める努力をしていかなければならないですし、管理組合としてもマンション管理の主体はあくまでも区分所有者自身であるという基本を忘れないことが大事だと思います。