マンション改修工事費の目安

建築総合サイト「KEN-Platz」の「建築」の2003/08/18付ニュース「マンション改修工事費の目安をつかめ!研究第一弾公表」で、マンション改修工事費の概算手法確立に向けた試みの第一弾が、発表されたことが紹介されています。(財)建設物価調査会の総合研究所が、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で2000年から2002年までに実施されたマンション・集合住宅の改修工事を対象に、契約価格の傾向をマクロ的な視点で分析したもで、主要建設会社・設計事務所・発注機関475社にアンケートを送り、改修工事の内容と最終的な契約金額のデータを、93社187件から得たそうです。上の記事では例として、外壁修繕工事費単価を戸当たりでグラフ化すると25万?30万円にピークが現れているのに対して、延べ床面積1?当たりでグラフ化するとピークが分散していることが判明したことが紹介されています。これは外壁修繕工事費用に関してはマンションの物理的な大きさ(延べ床面積の大きさ)よりも、むしろ戸数で決まるということを表しているもので、興味深い結果と言えるでしょう。また、外壁修繕工事費の戸当たり単価が戸数によってどのように変化するかのグラフも紹介されていますが、これによると20戸程度の小規模マンションでは平均で戸当たり約35万円なのに対して、200戸程度の大規模マンションでは平均で戸当たり約25万円と、やはりスケールメリットは顕著に現れているようです。新築の場合と異なり、改修工事の費用は施工条件の制約や下地等の不確定要因が大きく、傾向をつかむのは困難なようですが、このようなデータの調査・公開が進むことは、私たちマンション居住者にとっても歓迎すべきことだと思います。