役員のなり手が少ないという問題の本質

日経BP「Small Biz」のメンバーズコラム「小山社長の心を豊かにするIT」の「第58回 成長指向の米国よりも、成熟した欧州に経営者は学べ」で、小山氏が8年前から毎年続けているヨーロッパ企業へのベンチマーキングに出かけることについて語っています。この中で興味深いのは、ヨーロッパへベンチマーキングに行くことを他社の経営者にも知らせるそうですが、決して誘うことはしないそうです。小山氏によると、「世の中には様々な会合や勉強会がありますが、次第に参加者を減らして解散してしまうケースが決して少なくはないですね。それはやはり“誘う”からだと思います。誘われたら参加せざるを得ないですが、しかし、いやいや参加しても楽しいはずはありません。だから私は誘わない。お知らせだけする。それが会を長続きさせるコツです。」とのこと。たしかに、マンション管理組合の活動も、資産価値の維持だとか、管理コスト削減だとか、単に義務感や使命感だけでやっていると、長続きせずに息切れがしてしまうのは事実でしょう。マンション管理組合の活動を通して、多くの人と知り合いになり、色々なことを学び、色々なことをやってみることができる。そういったことは本来「楽しい」ことなのですが、多くの人はなかなかその楽しさを感じることが出来ずに、いやいや参加しているという現実が、役員のなり手が少ないという問題の本質だと思います。ある自主管理マンションでは、理事会運営費という名目で、年に2、3度、役員達の間で慰労会を開催しており、管理組合運営費・理事会運営費合わせて単年度予算の25%を占めているそうです。これはちょっと極端な例かもしれませんが、たしかに、役員のなり手がいない問題を単に報酬を設けることによって解決を図るよりも、役員になることに何らかの楽しみを設けることのほうがはるかに現実的な解決策なのかもしれません。もっとも、私のようにあまりの楽しさにあれこれやり過ぎて、毎日睡眠不足に悩まされるのも困りものですが(^_^;)。