外断熱マンションを見学

友人のI氏に誘われて、都内の外断熱マンションの体験ルームと実際のマンションを見学にいきました。通常のマンションは外壁コンクリートの内側に断熱材(発泡ウレタン等)を貼っていますが、外断熱のマンションは外壁コンクリートの外側を断熱材(グラスウール等)で包むことが大きな違い。工期が延びることから建築コストは1?2割程度高くなるものの、外気温の変化に対する室内の保温性能に優れており、その省エネルギー効果によって、1973年の第1次オイルショックを契機にヨーロッパでは普及が進んだそうです。外断熱というと、何となく寒冷地向け仕様と思っていましたが、外壁コンクリートと室内の温度差が少なくなることから、結露やカビの防止の効果もあり、また、コンクリートへの蓄熱が少ないため、夏の暑い夜に冷房を止めても部屋の温度が朝まで上がらないなど、最近では保冷効果や、健康への配慮、快適性の面で選ぶ人も増えているようです。今回の企画は、そのような外断熱マンションを実際に体験し、実際に住んでいる人の意見を伺おうとしたもの。まず最初に外断熱マンションを積極的に展開するデベロッパーの外断熱体験ルームを訪問。そこには、それぞれ2畳ほどの内断熱の部屋と外断熱の部屋があり、夜間に同一条件(20℃)で冷房し、朝9時に冷房を停止した後の状態を午後1時の時点で体験しました。内断熱の部屋が25℃まで温度上昇していたのに対して、外断熱の部屋はほぼ20℃のまま保たれており、保冷効果の差は歴然。まあ、これは物理的に考えて当然とも言える結果ですが、何事も頭で理解するよりも、体で覚えることが大事ということでしょうか。次に外断熱仕様の高級マンションのモデルルームを見学して、その販売価格にタメ息をついた後、実際の外断熱マンションを訪問。住人の方に突撃インタビューをして、実際に住んでみての感想などをお聞きしました。やはり保冷効果は相当高いようで、今夏の数少ない熱帯夜でも、冷房を止めても寝苦しいことはまったくなかったとのこと。また、割高な外断熱マンションを購入するに当たっては、インターネットで相当調べられたそうです。やはりマンションは人生で一番高い買い物ですからね。そして、ご自身でその効用に納得した上で購入されたとのこと。現時点では新しいコンクリートが含んでいる水分が原因と思われる湿気の問題などがあるものの、住人とデベロッパーが協力してその問題の解決に取り組んでいる姿に、好感が持てました。防音性能に関しても、「ときどき隣の子供が走り回る音が聞こえる」と笑っておられましたが、それがトラブルにつながらないのも、住人の間に、こだわりを持ってこのマンションを選んだ仲間同士という連帯感のようなものがあるからのように感じました。