カストマーの視点に立った経営

日経BP「BizTech」の企業・経営の2002/07/29付け記事「P&G vs 花王、学び続ける老舗企業」で、売上目標の未達と株価の大幅な急落、買収交渉の失敗等で危機的な状況にあったP&Gを、ラフリー会長がどのようにして経営を立て直し、見事なV字型復活を成し遂げたかが紹介されています。優れたマーケティング力に依存するあまり、調査のための調査を繰り返すような官僚的な社風や、売上目標から逆算して新製品の投入を決めるような消費者の視点を欠いた経営を、「消費者がボスだ(The Comsumer is Boss)」というスローガンを社員に徹底し、自ら実践することによって打ち破り、消費者志向の経営に立て直したとのこと。現在、各地でマンション管理士会の立ち上げ活動がさかんに行われていますが、カストマー志向の士会づくりが重要であることに変わりはないでしょう。しかし、管理組合や区分所有者の視点が欠けているとの批判が一部にあるように、あくまでもマンション管理士の自己研鑽のための管理士会に位置づけるのか、広く管理組合や区分所有者にも門戸を開く管理士会を目指すのか、まだ明確なビジョンが定まっていないところも多いと思います。もし前者を目指すのであれば、カストマーはマンション管理士になりますし、後者を目指すのであれば、カストマーはマンション管理士のほかに、管理組合と区分所有者も含まれることになります。いずれにしても、誰のための士会なのか、誰がカストマーなのかを明確にして、そのカストマーの視点に立った士会づくりをしていく必要性を感じます。