「3つ星」マンションの資産価値を高める仕組みを

読売新聞 YOMIURI HOME GUIDEの「住まいの相談室」の2002/08/09付記事「中古マンションの耐久性はどの位あるのでしょうか」で、築年数の長い中古マンションの購入を検討されている相談者のQ&Aが載せられています。きちんと建てられたマンションの場合、躯体自体は50年から100年程度は持つようですが、よくメンテナンスされているかどうかが重要なので、大規模修繕等の修繕歴や修繕積立金の残高を確認するのがよいとのこと。マンションの資産価値は、単に立地条件や専有面積・間取りといったハード面だけで決まるのではなく、しっかりとした長期修繕計画を持っているか、修繕積立金は十分に確保されているか、タイムリーな意思決定を円滑に行うために管理組合がちゃんと機能しているかといったソフト面で決まる要素が大きいと思います。しかし中古マンションの販売価格には、なぜかソフト面での格差はほとんど現れてこないのが実情のようです。ソフト面での価値に対する購入者の意識が低いのが原因ですが、これはソフト面での格差がなかなか分かりにくいということにも起因していると思います。例えばミシュランのレストランガイドのように、マンションのソフト面での優位性を星の数で客観的に表すような評価方法が定着すれば面白いのではないでしょうか。そして多くのマンション管理組合が、最高の「3つ星」を目指して自らがんばるようになる。それが理想的な姿でしょう。現在のマンション管理適正化法は、管理組合や区分所有者に「やる気」を起こさせるには不十分な内容だけに、ぜひともそのような仕組みが欲しいと思います。